ある新婚家庭の憂鬱
どうしたことだろう。
1年の交際を経て、さる25日に結婚を終えたばかりの私。
普通ならば、幸せに包まれるであろう新婚家庭にて妻が私に掛ける言葉は
「あなたなんて大嫌い」
…どうしたことだろう。
港で告白されて付き合いはじめ、
海を眺めながら浜辺で口づけを交わし、
湖の中でプロポーズを受けた
あの頃から私の気持ちは、全く代わりがないというのに。
「あなたなんて大嫌い」
……仕方がない。
私よりも年下の彼女には何か複雑な事情でもあるのだろう。
それとはなしに彼女の様子を伺い、
即物的であると思いながら、贈り物を準備した。
それでも掛けられる言葉は
「あなたなんて大嫌い」
正直に言ってしまえば、少々参っていた。
その頃だった、夫を亡くし、失意にくれる年上の女性と再会したのは。
共に喪失感を抱え、背徳感を感じながら行く温泉。
思えば彼女のことはずっと気に掛かっていた。
夫がある人だからと、諦めた人のような気もする。
親子ほどの年の差があるからと、思い込んだ人のような気もする。
しかし…今の彼女は…。
…
……
………
蜜の味とは、こんなものだったのか。
と、いうのが今日のプルト共和国で起こったことでしたとさ。(ぉ)